東彼杵郡波佐見町のはいき歯科医院
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歯周病治療の基本

歯周治療の基本はプラーク・コントロールです

歯周病治療の基本について

1.歯周病と喫煙

2.糖尿病の人は要注意

3.歯周病治療の成否

プラークコントロールとは

プラーク(正しくはバイオフィルムをコントロールすることですが、プラーク・コントロールという言葉が広く行きわたっているのでここではプラーク・コントロールといいます。)は多くの種類の細菌集団です。

歯と同じ色をしているので、歯垢染色剤を用いて染め出しをすることもあります。

それぞれの患者さんの状態を詳しく診査、診断し、個人に適したプラーク・コントロール・プログラムを立てて、指導や治療にあたります。

患者さんと医院の役割

やさしい説明上手な治療(画像)石井 正敏 (著)より

ゾーン1~4に分類

歯と歯周組織に関与する細菌の生態系(エコシステム)を、ゾーン1~4に分類します。

歯周炎の危険因子はこのゾーン2、3、4の生態系に直接的、間接的にさまざまな影響を及ぼします。

歯肉縁上プラーク(バイオフィルム)

ゾーン1··········· 齲蝕や歯肉炎の発症に関係

歯肉縁下プラーク(バイオフィルム)

ゾーン2······付着性プラーク 歯肉炎の場合の縁上プラークと類似

ゾーン3······非付着性プラーク 大部分は、グラム陰性の嫌気性菌 ・歯周炎の進行に重要な役割

ゾーン4······結合組織や歯槽骨内に侵入した細菌·この領域では器械的な治療だけでは取り除くことができないので、全身的な抗生物質の投与が必要

歯周病と喫煙

喫煙は歯周病を悪化させる最大の危険因子

歯周病は基本的には細菌感染による炎症性疾患ですが、その進行を促進させたり憎悪させる様々な要因があります。これらの要因を危険因子といい、局所的因子と全身的因子があります。

ここから私たちの日常臨床において特に関わりの深い危険因子を取り上げ歯周治療までを説明しましょう。

喫煙と歯周病の相関関係

喫煙と歯周病の相関関係が、近年の欧米の研究で明らかにされています。

・喫煙者の歯周炎は非喫煙者の歯周炎よりも重度
・喫煙の累計本数が増加すると重症度が増す
・禁煙すると歯周組織に改善が見られる
・歯周治療の効果は、非喫煙者より喫煙者のほうが著しく低い

喫煙者の口腔

元新潟市開業医 石井正敏先生より提供

平成19年全国たばこ喫煙者率調査

たばこ産業の「平成19年全国たばこ喫煙者率調査」によると、成人男性の平均喫煙率は40.2%でした。これは、昭和40年以降のピーク時(昭和41年)の 83.7%と比較すると、41年間で43.5ポイント減少したことになります。年代別にみると、急激な喫煙率の減少傾向が見られる60歳以上は27.8%で、ピーク時(昭和41年)より50.2ポイントも減少しました。また、平成19年の喫煙率が一番高い年代は30歳代で47.8%でした。

厚生労働省の最新たばこ情報より引用

糖尿病の人は歯周病に特に注意が必要

糖尿病

日本人の糖尿病患者数は600万人を越し、さらに糖尿病予備軍が1500万人いると推測されています。
糖尿病は、食物から摂取された糖質が体内で有効に使われないために、血液中にブドウ糖(血糖)が増加する病気です。コントロールされていない糖尿病罹患者の場合には、下記のような口腔症状が見られます。

コントロールされていない糖尿病患者の口腔症状

1.傷の治りが遅い

2.唾液の分泌量が減り、口がかわく

唾液の量が少なくなるとプラークや歯石の量が増加し、う蝕や歯周病にかかりやすくなります。
また、投薬を受けていると、副作用で唾液量が減少する場合もあります。

3.口腔粘膜や舌に灼熱感がある

4.歯肉溝(および歯周ポケット)内滲出液中に糖が増加する

プラークの形成が促進されます。

コントロールされていない糖尿病患者の口腔

左側写真:血液中や歯周ポケット内滲出液の増加によりみられる多発性の歯頸部う蝕
右側写真:糖尿病患者に特有な歯周病の外観

元新潟市開業 石井正敏先生より

しかし、良くコントロールされた糖尿病患者では、一般の歯科患者さんの場合と同程度の治療効果が得られます。また、良くコントロールされていれば、う蝕発生率は一般の歯科患者さんより低くなるという研究もあります。

糖尿病のコントロールが適切になされていない患者の口腔内

1)歯牙にみられる症状

  1. 説明のつかない歯痛
  2. 齲蝕(糖尿病患者に特有の硬組織欠損がみられる)
  3. 歯根面の広汎な齲蝕(歯頚部齲蝕)

2)歯周組織(歯肉)にみられる症状

  1. 独特な歯肉の炎症性変化(ポリープ様の歯肉の腫脹)
  2. 歯周病指標値(プロービング値、出血指数など)の悪化

3)舌の変化

  1. 舌痛症
  2. 舌筋の緊張度の低下
  3. 地図状舌の発現

4)唾液腺の変化

  1. 唾波の粘稠度の変化(耳下腺の肥大)
  2. 口腔乾燥症(カンジダ症を誘発)
  3. 口腔乾燥は薬剤の副作用とも関係が深い

5)その他

  1. 口腔内創傷の治癒の遅延
  2. 口腔粘膜の爛や潰瘍の形成
  3. 日和見感染症の発見
  4. 糜爛性扁平苔癬
  5. 口腔粘膜や舌の灼熱感

元新潟市開業:石井正敏先生著 糖尿病と歯周病より引用

歯周病治療の成否

歯周病の成否はコンプライアンス(医療受容度)に大きく左右されます歯周病のような慢性疾患の治療が成功するかどうかは、患者さんが術者側の指示を正しく守るかどうか否かにあります。これをコンプライアンス(医療受容の度合い)といいます。

コンプライアンスを高めるために

コンプライアンスを高めるために

プラークコントロールの実施

生命をおびやかすような疾病や激しい痛みのある急性症状の場合には、コンプライアンスは高くなります。しかし、慢性疾患の場合には、継続的に長期間にわたってコンプライアンスを高めていくことは至難の業です。歯科治療によって得られた口腔内の健康状態を維持し、疾病の再発を防止するためには、定期的で適切なプロフェッショナル・プラークコントロールの実施が不可欠です。

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老化と歯周病の関係は?

大人数の集団を調査すると、高齢者ほど重度の歯周病になっていることがわかります。そのことから、老化を歯周病の危険因子ととらえる見方があります。老化によって体力、生殖力、新陳代謝はすべて衰退に向かうことは確かですが、口腔内組織も例外ではありません。感染症にかかりやすくなりますので、口腔内では病原菌の活動性が強まると考えられます。

ただ、個人差が非常に大きく、口腔衛生が良好に保たれていれば、加齢は歯周病の危険因子としてさほど重要ではないという報告もあります。

感染症へのかかりやすさ

リコールの効果

女性のためのオーラルケア 石井正敏 著 より

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