標準的な成人歯科健診プログラム・保健指導プログラムの紹介

DOCTOR2.jpg現在の歯科検診は妊婦、乳幼児、小学校から高等学校、成人などそれぞれのライフステージ別に行われています。
その内容は、歯や口の病気の発見や早期治療のための治療勧告が主なものです。

その中で、成人期の歯科健診は必ずしもそのニーズに沿ったものではないようです。
むし歯や歯周病は、その人の日常の保健行動に強く関連するものであり、病気のリスクを早期に発見し、そのリスクへの対処としての保健指導や健康教育を包括したプログラムが必要です。

そこで、
日本歯科医師会は、病気にかかる前の予防対策として、「標準的な成人歯科健診プログラム・保健指導プログラム」を作成し、日本歯科医師会ホームページに公表しました。

このプログラムの大きな特徴は、必ずしも歯科医師がお口の中を診察しなくても、質問紙(20問)の回答からおおよその病気のかかりやすさを判定し、その上で保健指導を受けていただき、病気の予防に役立てていただくという点です。

保健指導を受ける前のステップまではどなたも利用可能で、気軽に、試していただければと思います。

利用の仕方を下記に説明します。

まず、プログラムのダウンロードから…。

1.日本歯科医師会のホームページにアクセス。
2.ページ右端の「標準的な成人歯科健診プログラム・保健指導マニュアル」をクリックする。
3.プログラムPC版を選び、ご自身のメールアドレス、自治体名/事業所名、
お名前を入力して「送信」ボタンをクリックする。
4.プログラムダウンロード画面の「プログラムPC版(958KB/exeファイル)」をクリックすると、「ファイルを実行または保存しますか」と表示されるので、デスクトップ上に保存します。

続いてプログラムの使用方法です。

1.デスクトップのファイル開けて成人歯科検診・保健指導プログラムExcelワークシートをクリック
し、「マクロを有効にする(E)」に設定
2.メニュー画面が表示されたら自分のデータ(受診者属性)を操作概要に沿って入力し、
「質問表(初回)」を表示
3.質問表にクイック入力で20問すべてに回答したあと、「判定集計」をクリックすれば
自動的に「口腔保健 質問紙調査結果(初回)」が表示され、おもに歯の健康状態や保健指導
などの指針を自動的に判断・分析 し結果を見ることが出来る

回答結果画面の見方

結果表示では、あなたの歯の健康力としてチャート上に太枠の四角線が示され、
赤や黄色にかかっている部分があれば、その部分に問題点があることになります。

その下段には「歯の健康力が4つの要素別に表示され、具体的な問題点も示されるため、現状の問題点を一目で理解できるようになっています。

つまり、歯の健康力判定結果として、
①口腔機能・困りごと・QOL(生活の質)
②自覚症状
③日常の行動
④周囲の環境
を色分けして要素別リスクを表し、その右に口腔保健質問紙調査表の質問に対応して
個々のリスク 項目を色分けします。

3段目にはアンケートから見た「あなたの歯の健康力」として、要素別に具体的なアドバイスが表示されます。

以上が健診部分で、皆さんにはぜひここまでの内容を体験して欲しいと思います。

最近の調査によれば35歳以上の人は、約80㌫が歯周病にかかっているといわれています。
この成人歯科健診プログラム・保健指導プログラムを利用し、国民病といわれる歯周病の罹患率を何とか減らしたいものです。