きれいな歯並びを作るために
小さなお子様がいらっしゃるお母様方の中には「自分は歯が悪くて苦労したので、子供にはむし歯で同じ思いをさせたくない」とお考えの方が多くいます。虫歯のないきれいな歯は親から子供に与える一つの財産ともいえます。
虫歯の予防には
・砂糖を多く取らない
・毎日の歯ブラシをきちんと
・フッ素やキシリトールを使用する
などが大切なことは一般的に知られており、虫歯予防に成功したお母様の次の心配は歯並びです。
しかし、どうしたらきれいな歯並びになるかはあまり知られてはいません。
これから、きれいな歯並びを作るうえで大切な「噛む」という観点から考えてみたいと思います。アゴの発育不足で歯が並びきれないなどの疑問が解決するかもしれません。
離乳食を単にミルクの代用品と考えてはいませんか?
生後5~6ヶ月頃から徐々に離乳が始まるようですが、歯が生え始めると、その歯に合わせた歯ごたえのある物を少しずつ食べさせる配慮がやや不足しているようです。
食材の調理法や加熱の状態、大きさなどをその子に合わせて変える必要があります。子どもの噛む能力に合わせて、しっかり噛ませることが大切です。
ミルクの代用品や栄養補給ではなく、咀嚼能力獲得のための準備運動として大変重要な意味があるのです。
噛むことを正確には咀嚼といいます。咀嚼は発達的な能力で、離乳食期前後からすでに始まっているのです。これは順序を追って正しく学習することによって初めて得られるもので、噛む力をつけようとしてある日突然硬いものを与えて身につくものではありません。噛む能力は下記のように離乳食期から始まる発達現象で、順を追って学習いく必要があります。
学習の順序は
1.口唇食べ…口唇を閉じてゴクンと飲み込む
2.舌食べ…舌を上下に動かして舌でつぶして食べる。
3.歯ぐき食べ…舌を左右に動かして歯茎でつぶして食べる
4.乳歯食べ…乳歯の奥歯が生えてからの乳歯食べ
以上の順序で発達していくのです。
乳歯から永久歯に生え変わるとき、きれいな歯並びになるのに必要なアゴの大きさに発育させるため、しっかりと離乳食の各ステップを踏んで欲しいものです。