お口の健康を守る定期健診のススメ

現代では医学の進歩・発達・医療の充実・公衆衛生の浸透等により、過去多くの人々を苦しめた伝染病もなくなりました。しかし病気が全くなくなったわけではなく、文明病あるいは生活習慣病という形の成人病などとして、ガン・心臓病・脳卒中・糖尿病といわれる病気がクローズアップされています。
この生活習慣病は、長年にわたる食生活や嗜好品(タバコやアルコールなど)の日常生活が原因の多くをしめ、症状が出たときはかなり進行しているようです。
原因はわかっていても、日常生活に直接かかわっているために普段はあまり注意されません。
予防には、むずかしい事ですがそれぞれの生活習慣を見直し、改善できる点は少しずつでも変えていく必要があります。

食生活で、噛む事に関係しているのが歯であることは誰もが知っていることです。当たり前すぎることなので、かえって注意されないのかもしれません。歯の健康を考え、歯の健康管理をしている人はまだまだ少ないように感じます。
そういうこともあってか、むし歯や歯周病で歯を失う方がまだまだ多いようです。歯を失うと食生活が偏ったり満足に噛めなくなったりして、習慣病にかかりやすくなっています。
むし歯や歯周病も例外ではなく、生活習病の代表的なものなのです。

現代食が柔らかいものへと変化するのに従い、むし歯は減ったものの歯周病で悩んでいる方はまだまだ多いのが実情です。
むし歯や歯周病は細菌による感染症です。しかし、その発病のもとになるのは、日々の生活の中にあります。歯を守る早道は生活習慣の見直しのようです。

むし歯や歯周病の対策で、一番大切なのは早期発見・早期治療・病勢のコントロールです。
初期のうちに発見し処置をすることは、治療期間も短く経済的にも楽になります。
むし歯の初期の段階は、自分ではなかなか気がつかない傾向にありますし、歯周病では、歯ぐきからの軽い出血ぐらいと思っていてもかなり進行していることがあります。

むし歯の処置の区切りがついたり、インプラントや入れ歯が入ったりしたとします。あなたは「これでやっと歯の治療が済んだ」とホッとされていることでしょう。
しかし、治療済みの歯が悪くなっていないか、入れた入れ歯等がが正しく機能しているか、いつも注意することが大切です。歯石がつき始めたかもしれません。
このためには、定期的に健診を受けて歯や歯ぐきの健康を守っていく必要があります。

歯科医院は、歯を削ったり、抜いたり、入れ歯を入れたりするだけの場所ではありません。いろいろな予防処置を受けたり、自分で自分のお口の健康を守り維持するために必要な知識や技術を学ぶ場所でもあります。

歯を大切にしたいと考えているあなたには、これから先、患者さんとしてでなく、定期健診での来院者として、ヘルスプロモーションを軸とした歯医者さんと新しいお付き合いを始めて欲しいものです。あなたのお口の健康を維持するため、歯科医院のスタッフとともに歩んでいきませんか。